ピーター・B・ハーイ『帝国の銀幕』:「座談会」政治の一形態

なぜ革新官僚は、批評の禁止というナチスの先例に従わなかったのか。その理由はおそらく、協力を確保するのに、はるかに確実な手段があったということであろう。その手段とはもちろん、不敗の「懇談会」戦法である。この手法は、他の分野の作家や芸術家には非常に有効だと、すでに判明していた。中心的批評家に対する御機嫌とりは、特効警察の手荒な戦術よりも、はるかに多くを成し遂げていたのである。批評家らは、内務省の丸テーブル、あるいは「料亭」に招かれ、たやすく協力的雰囲気に包まれていった。実際、誰がこのような「求愛」のもてなしに抗することができたであろう。

太平洋戦争終結まで、映画雑誌は頻繁に、数人の批評家と政府、軍の官僚が出席する「座談会」を大きく取り上げた。そこで討議されたのは、批評家(ないし映画製作者)はいかにして国策への最良の貢献をなし得るか、についてであった。ピーター・B・ハーイ『帝国の銀幕』五〇頁

今でもまったく同じ。日本の劇評家が舌鋒鋭く批判することができなくなるのは、この座談会政治の仕組みに取り込まれるから。

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