寺田寅彦『マーカス・ショーとレビュー式教育』

青空文庫に収録されている寺田寅彦『マーカス・ショーとレビュー式教育』は面白い。『中央公論』昭和九年六月に掲載されたもので、林正之介が招聘したアメリカのレビュー、マーカス・ショー(ここを読むとダニー・ケイも加わっていたという)を見ての感想を述べるものだが、話の枕に置かれた、かつて自分が留学中に見たベルリン・メトロポール座、パリのフォーリー・ベルジェールやムーラン・ルージュのレビューについての記述は、日本語で書かれた当時のレビューについての簡潔な説明として要を得ているし、何よりも本論から脱線して教育論に転じ、「明治大正を経た昭和時代の教育のプログラムは…レビュー式である。盛り沢山の刺戟はあるが、あとへ残る纏(まと)まった印象はややもすれば甚だ稀薄である」「教えるためには教えないことが肝心である。もう一杯というところで膳を取り上げ、もう一と幕と思うところで打出しにするという「節制」は教育においてもむしろ甚だ緊要なこと」だ、というようなことを述べているところが興味をそそられる。

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