真山青果との「共作」は有名な話だが、それを真山はどう思っていたのか、弟子筋からの証言。
巖谷槇一「偲ぶ草三つ四つ」 ……大谷会長の偉さは、その会社経営にあったことは今更此処に喋々するまでもないが、、私が最も驚いたことは、上演台本に対する鑑識力の鋭敏さ、その俳優指導力の卓抜さ、……そして、会長自身が常に持っていられるところの、創作力、構想力は実に素晴しく、私の恩師真山先生といえども、筋につまってしまわれる時には、会長の智慧を貸【ママ】りられたものである。 会長の方からは得意げに、 『あの本はわしと真山の合作のようなものだ』と仰言るが、真山先生の方は弟子の私を掴まえて、 『大谷の云った通りの筋ばかりを書いているから君たちの本は観衆を感激さすまでに至らんのだ。其処に哲学を入れるのだよ、大谷の立てた筋を自分の【ルビ開始(あたま)】頭脳【ルビ終了】の中に入れて、天井を充分眺めて、練りに練って、そしてかかれる本が永遠に輝くのだ。判かったかい、直ぐに筆を握ってはいかんぞ。……俺は大谷と首っ引き勝負をした上で、役者に汗をかかせ、見物のお土産になる、いい本をこしらえているんだ』 昂然として師匠は、よく、こう云われた。 ……(劇作家) (『百人が語る巨人像 大谷竹次郎』二九―三〇頁)
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『大谷竹次郎 百人が語る巨人像 』03
真山青果との「共作」は有名な話だが、それを真山はどう思っていたのか、弟子筋からの証言。
巖谷槇一「偲ぶ草三つ四つ」
……大谷会長の偉さは、その会社経営にあったことは今更此処に喋々するまでもないが、、私が最も驚いたことは、上演台本に対する鑑識力の鋭敏さ、その俳優指導力の卓抜さ、……そして、会長自身が常に持っていられるところの、創作力、構想力は実に素晴しく、私の恩師真山先生といえども、筋につまってしまわれる時には、会長の智慧を貸【ママ】りられたものである。
会長の方からは得意げに、
『あの本はわしと真山の合作のようなものだ』と仰言るが、真山先生の方は弟子の私を掴まえて、
『大谷の云った通りの筋ばかりを書いているから君たちの本は観衆を感激さすまでに至らんのだ。其処に哲学を入れるのだよ、大谷の立てた筋を自分の【ルビ開始(あたま)】頭脳【ルビ終了】の中に入れて、天井を充分眺めて、練りに練って、そしてかかれる本が永遠に輝くのだ。判かったかい、直ぐに筆を握ってはいかんぞ。……俺は大谷と首っ引き勝負をした上で、役者に汗をかかせ、見物のお土産になる、いい本をこしらえているんだ』
昂然として師匠は、よく、こう云われた。
……(劇作家)
(『百人が語る巨人像 大谷竹次郎』二九―三〇頁)