「魅惑の美声」第一回公開研究会

「魅惑の美声:近代日本における声と情動に関わる言説構築過程の学際的研究」(サントリー文化財団研究助成「学問の未来を拓く」:研究代表者・日比野啓)

以下の通り研究会をおこないます。近現代において、人間の「声」はどのように聞かれ、受けとめられてきたのか。理論の整理や事例研究をつみかさねるなかで、現在を照らし返す情動の歴史について議論します。参加ご希望の方は、研究会連絡先までご連絡ください。

日時:3月22日(火) 14:00-17:40
場所:北九州市立大学北方キャンパス・D-603教室

14:00 「声はいかに語られ、記憶されるか」日比野啓(成蹊大学)

なぜ「人の記憶に残る声」とそうでない声があるのか。認知科学はこれまでどのようにこの問いに答えてきたのか。人文科学は認知科学の成果を踏まえて、どんな新しい知見を加えることができるのか。このような問題意識のもと、今回は予備段階として認知科学で声と記憶について書かれた論文・書籍を渉猟し、メタ分析を行う。

15:20 休憩

15:30 「振り向かせる声の系譜―寿屋CM「浪曲西部劇」に焦点をあてて」真鍋昌賢(北九州市立大学)

行為する声という視点から、前近代の大道・仮設小屋に源流をもつ浪曲の声の力とイメージに注目してみたい。具体的には、寿屋(現:サントリー)の洋酒CM「浪曲西部劇」の位置づけについて考察する。高度経済成長期において、CMという新しい時代の言説形式のなかで浪曲の「いきみ声」(ダミ声)はどのようとりこまれ記号化されたのだろうか。当時の浪曲の「衰退」を背景として考えてみたい。

16:50 休憩

17:00 全体討議

第1回研究会連絡先:真鍋昌賢(文学部比較文化学科:ma7-ma3あっとまーくkitakyu-u.ac.jp)