新内と小芝居

神山 竹若が、『蘭蝶』を得意にしていたでしょう。あのときは新内を使う?

守 小芝居と新内というのは、もう密接な関係があります。新内というのは幕末に出来たけど、清元なんかに比べるとちょっと浪花節に近いというか、やや下品なところがある。だからこそ、小芝居に非常にいいし、『蘭蝶』なんかの幕末の雰囲気に合う。『蘭蝶』だとか『明烏』なんかが、新内は大きいのでね。

『蘭蝶』なんていうものは小芝居のもので、大歌舞伎でもいつかやったけどやっぱりよくないです。それは庶民の切なさのようなものを・・・それは卑しいものなのかなと少し思うんだけど・・・新内は深刻に語りますからね。

戦後、東京新聞を辞めてから報知新聞の嘱託をしばらくていしたんです。そのときに隅田川を流す新内があったんですよ、まだ船でね。料理屋のへりのところへ着けまして、それで新内を船の中でやって、料理屋ではお金へ袋に入れて、船頭がさおの先に付けたかごを出すと、そこにお金を、一万円なら一万円入れるんです。オリンピックよりあとにまだいました。